舌苔による口臭が、そのまま人にうつることは基本的にありません。舌苔は、舌の表面にたまった細菌や食べかす、古い細胞などの集まりで、主に口の中の環境や舌の清掃状態によって生じます。口臭の原因になる細菌がいるからといって、口臭そのものが感染するわけではありません。
舌苔による口臭がうつらない理由
口臭は、舌苔に含まれる細菌がたんぱく質などを分解するときに発生するガスによって起こります。つまり、においは口の中で生じる現象であり、近くにいる人へ移動して定着する病気ではありません。
舌苔のつきやすさは、次のような本人の状態によって変わります。
- 舌の清掃が不十分である
- 口の中が乾燥している
- 唾液の量が少ない
- 口呼吸をしている
- 体調不良や発熱などで食事量が減っている
そのため、同じ食器を使ったり、会話をしたりしたことだけで、相手に舌苔や口臭がうつるとは考えません。
口の中の細菌が移ることはある?
唾液を介して、口の中にいる細菌の一部が移る可能性はあります。ただし、細菌が移ったからといって、相手に同じ舌苔や口臭が必ず生じるわけではありません。
舌苔や口臭の発生には、細菌の種類だけでなく、唾液の量、口腔内の清掃状態、歯周病の有無、舌の状態などが関係します。したがって、「口の中の細菌が移ること」と「舌苔による口臭がうつること」は分けて考える必要があります。
なお、歯ブラシやデンタルフロス、箸などを共用すると、細菌だけでなく、感染症の原因となる病原体が移る可能性があります。口臭を防ぐ目的でも、これらのものは共用しないようにしましょう。
舌苔による口臭を減らす方法
舌苔が原因と考えられる口臭には、舌を傷つけない方法で清掃し、口の乾燥を防ぐことが役立ちます。
- 舌を鏡で確認し、白色または黄色っぽい付着物があるか見ます。
- 舌ブラシや舌クリーナーを使い、舌の奥から手前へ軽く動かします。
- 強い力で何度もこすらず、1日1回程度を目安にします。
- 歯みがきや歯間清掃も行い、口の中全体を清潔にします。
- 水分をとり、口呼吸や口の乾燥が続かないようにします。
舌を強くこすると、舌の表面を傷つけたり、刺激によって状態が悪化したりすることがあります。舌苔が取れないからといって、歯ブラシで強くこするのは避けてください。
口臭が続くときは舌苔以外の原因も確認する
舌を清掃しても口臭が続く場合、舌苔だけが原因とは限りません。歯垢や歯石、歯周病、むし歯、口の乾燥などが関係している可能性があります。
次のような場合は、歯科医院で口の中を確認してもらうとよいでしょう。
- 口臭が長く続いている
- 歯ぐきから出血する、腫れる、痛む
- 歯がぐらつく
- 舌の痛みや出血、白い付着物が続く
- 自分で口臭の原因を判断できない
口臭の原因が口の中にあるのか、別の病気や薬の影響などによるものかは、においだけでは判断できません。気になる症状が続く場合は、まず歯科医院で相談してください。
舌苔による口臭は人にうつる?
舌苔による口臭は、基本的に人にうつりません。口の中の細菌が一部移る可能性はありますが、それだけで相手に舌苔や口臭が生じるわけではありません。自分の口臭が気になるときは、舌を強くこするのではなく、舌・歯・歯ぐきを含めた口の中の状態を整え、改善しない場合は歯科医院で原因を確認しましょう。







